「レビューの評価順」という並べ替えがユーザーの満足度を低下させる理由

「レビューの評価順」という並べ替えがユーザーの満足度を低下させる理由

あなたはECサイトにおいて目的の商品を探す時、どのような方法で探すだろうか?すべての商品を1つ1つチェックするわけにはいかないだろうから、恐らく何らかのフィルタリングをした上でチェックしていくはずだ。

Baymard Instituteが直近で実施したEコマースのフィルタリングに関する調査において、ユーザーが何か商品をソートする時、「価格の低い順」による並び替えに次いで多かったのが「レビューの評価順」という並び替え方式だった。しかしこの調査において、ユーザーが「レビューの評価順」という機能に求めている本来のニーズと、実際にEコマースサイトが実装している機能には決定的なズレがあることが明らかとなった。

本記事では、ECサイトはどのようなフィルタリング機能をユーザーに提供すべきなのか?なぜユーザーニーズとのギャップが生じているのか、Baymardの調査結果の概要を簡単にまとめてみる。

参考:Don’t Base ‘Customer Ratings’ Sorting on Averages Only

 

平均値のみに基づいて「レビューの評価順」を決定しないこと

Baymardの調査によると、例えば初めて購入するECサイトなどそのドメインについてほとんど情報がないような場合に、ユーザーは「レビューの評価順」という並べ替え方式を頻繁に利用するのだという。つまりこの機能が利用される根底には、難しい決断を迫られた時に他の顧客の知恵と経験を当てにしたいという潜在ニーズが垣間見える。それほど人間にとって群衆の知恵というのはパワフルなのだ。

 

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しかし、主要な50社のEコマースサイトの並べ替え方法を実際にチェックしたところ、これらのサイトの86%で、評価した人数に関係なく単に星の平均値で並べ替えを行っていたことがわかった。すなわち、たった一人のユーザーが5.0の星を評価した商品は、100人のユーザーが評価した平均4.3の商品よりも前に掲載されるということだ。

これはサンプルの母数を考慮しない単純な展開方式であり、実際は後者の方が多くのユーザーが推奨する商品として信頼性が高いことは明らかだろう。したがって、平均値が5つ星の商品を最初に配置する方法は数学的には正しいかもしれないが、この方法では平均値の信頼度が考慮されない。

 

ユーザーは評価人数が4人以下だと信用しない

Barmardではさらにこのバイアスを証明するため、2,250人を対象として3つの異なる評価平均値をテストした。このテストでは全く同じ商品を2つ用意し、一方は2人の評価者に基づいて5つ星の平均値を獲得、もう一方は12人の評価者に基づいて星4.5個の平均値を獲得させている。その結果を示しているのが下の図だ。

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このテストの結果、対象者の62%は平均値が低いにもかかわらず、評価者の人数が多い方の商品を選んだ。これは、どんなに高評価であっても評価人数が少なければ信頼しないということを示している。

ここから考えられるのは、ある一定人数(ここでは4人としている)以上のユーザーが商品に対して満足していなければ、その商品が本当に満足度の高い商品かどうか判断がつかないということだ。だとすれば、評価の平均値のみで並べ替えの順序が決定されてしまうことは、ユーザーの意図した機能ではないことが明らかであろう。

 

評価者の数と評価の平均値の両方を考慮する必要がある

「レビューの評価順」という並べ方をユーザーの期待にマッチさせるためには、評価者の数を考慮する必要がある。言い換えれば、わずか数人のユーザーが評価した5つ星商品を、50人以上のユーザーが評価した4つ星商品の前に配置してはならない。

並べ替えのアルゴリズムではそのような単純な方式を利用するのではなく、評価の平均値と評価者の総数の組み合わせを考慮に入れてウェイトを決定する必要がある。この方式の方が、大多数のユーザーが「レビューの評価順」という並べ替えを機能させた時に意図する動きと合致するはずだ。

例えば下のHome Depotの例では、それぞれ50人と36人の評価者に基づいて星4.5個の平均値を獲得した商品が、わずか6人の評価者に基づいて星5.0個の平均値を獲得した2つの商品よりきちんと前に配置されている。

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もちろん、評価の平均と評価数の両方の要素を勘案することで複雑さが増し、ユーザーに対してこの手のフィルタリングの透明性を損なうことは事実だ。しかしBaymardの調査では、大した評価者もいない商品にもかかわらず平均値が高いだけでリストの最前列に来る方が、ユーザーにとって遥かに深刻な問題を引き起こすことが証明された。多くの評価者が評価している商品が後ろのページに配置されることは、ユーザーの商品検索を著しく不快にさせるのだ。

平均値と評価人数の間のウェイトをどのように決定するかという問題は、そのECサイトが対象としているターゲットユーザーやサイトの全体的なコンテキストによっても異なるので一概には言えず、継続的なA/Bテストが必要になる。AmazonBest BuyHome Depotなど米国の大手ECサイトでは、すでにこのようなフィルタリングをきちんと実装しているようだ。日本のECサイトはどうだろうか?

 

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