Amazon Dash Buttonは未来のIoTデバイスか?あるいは単なる部屋の飾りか?

Amazon Dash Buttonは未来のIoTデバイスか?あるいは単なる部屋の飾りか?

アマゾンは28日、Amazon Dash Buttonを利用したセールスプログラムに関して、大幅な拡大を発表した。しかしAmazonのプライム会員の間で、どうやらこのAmazon Dash Buttonがあまり受け入れられていないということが指摘されている。

Amazon Dash Buttonとは

もともとAmazonは、Amazon Fresh(生鮮食品宅配サービス)のプログラムの一環として、Amazon Dashというデバイスを展開していた。これはシンプルに「バーコードのスキャン」と「音声入力」によるいずれかの方法で、商品をカートに追加できる仕組みだ。専用のデバイスでオーダーしたい商品のバーコードを読み取ると、読み込まれた商品はwi-fiを経由しカートに自動追加され、スマホやタブレットで注文の確定をすると、商品が届く仕組みとなっている。

ここから派生したものが今回話題となっているAmazon Dash Buttonだ。Amazonは昨年、プライム会員が頻繁に使用する商品をボタンにタッチするだけで繰り返し購入できるようにする方法として、 Amazon Dash Buttonを発表した。ユーザーは部屋の至る所にボタンをセットしておき、補充したいと思った時にボタンを押しさえすれば、自動的に注文がなされる。まさにIoTの究極系とも言えるデバイスであった。

ラインナップは150以上にまで拡大

1467151284230642
このプログラムは当初、WhirlpoolやBrita、 Brotherなど一部の消耗品メーカーのボタンのみが提供されていた。しかし昨年秋までに、ゼネラル・エレクトリックやサムスン、ペットネットやその他のブランドにまでラインナップを拡大し、顧客は洗濯用品やプリンターのカートリッジ、ドッグフードなど様々な商品を補充できるようになった。さらにこのプログラムは今年に入り150商品にまでラインナップを拡大し、ドリトスのチップスやエナジャイザーの乾電池、クロロックスの掃除用品、ブラウニーのペーパータオルなども追加されている。

AmazonのスポークスマンKatie McFadzean氏によると、「取り扱いブランドの拡大は、Amazon Dash Buttonが次第に人気を得てきていることの証です。この3ヶ月間で、Dash Buttonでの総注文回数は70%増加し、注文の頻度も2倍に増えました。現在アマゾンは、1分あたり2件の注文をこのデバイスから受けていることになります」と述べている。

実際は過度な投資に対する懸念も

しかしながら、これほど速いペースでこのプログラムを拡大する判断については疑問も生じている。米紙Wall Street Jounalは今週、Slice Inteligenceのデータを引用した上で、Amazon Dash Buttonを購入した顧客の大半が実際にはプログラムに好印象を抱いていないと報じた

Slice InteligenceのスポークスマンJaimee Minney氏がEcommerce Timesに話したところによると、ボタンを購入した人のうち、実際にボタンを押して再注文した人はわずか48%だったという。この数字は、同社のオンライン消費者集団400万人から得た購入データに基づいている。Wall Street Jounalの記事によると、このサービスを利用した人は、2ヶ月に1回ほど購入する程度で、あまり利用していなかったようだ。この数字を見る限りだと、Amazonははコストに見合ったペースで人気を博しているとは言えないプログラムに多大な投資をしているように思える。

「Amazon Dash Buttonは本当に無意味です」と、フロスト&サリバンのマネージャーMike Jude氏はEcommerce Timesに語った。「これは取引を可能にするためだけのものです。1つの商品にしか機能しませんし、システム上もあまり安全ではありません。」

Amazon Dash Buttonは部屋の飾りとなってしまうのか

amazon-dash-1105144-TwoByOne
ほとんどの顧客は、ダッシュ・ボタンを家のあちこちに貼ることをあまり快く思っていないと、Jude氏は指摘する。このボタンは小型のWiFi受信器で、冷蔵庫の磁石に見た目が似ている。これは顧客にとって好都合な場所に設置することを想定したものだ。「まず、家が散らかります。それに、専用の注文場所が必要になるような商品はほとんどありません」と、Jude氏は話した。「セキュリティ上の懸念も一緒に考えると、ほとんどの人が不要と考えるのは、全く不思議ではありません」。

本来Amazon Dash ButtonのようなIoTデバイスの目的は、定期的に必要となる商品を顧客が簡単に補充できるようにすることだ。そしてワンプッシュで補充できるAmazon Dash Buttonは、理論的にはこの考えを形にしているとも思える。何かを使い果たした時に補充するまで何日も待てないことは良くあるだろうし、何か物が無くなりかけた時に代わりに自動で注文してくれるような仕組みは理想的だ。しかし人々の習慣を壊すのは想像以上に大変な道のりだ。理論的には理解できても、なかなかそれを生活習慣に落とし込むことはできない。

Amazon Dash Buttonが人々に受け入れられるにはまだもう少し時間がかかるかもしれない。

コメント0
CATEGORY :
TAG :

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

COMMENT ON FACEBOOK