シェアリング型フードデリバリーInstacartは第二のUberとなるか?

シェアリング型フードデリバリーInstacartは第二のUberとなるか?

米Tech企業はこれまでフードデリバリーサービスの分野に参入することを躊躇していた。なぜなら2000年にサービス公開後、たった数ヶ月で倒産したWebvanの記憶が生々しく残っているからだ。「フードデリバリーは成功しない」2000年以後の10年間はそれが常識となっていた。

しかし近年、AmazonやGoogleに代表されるようなIT企業を中心に、フードデリバリーサービスに対する注目が再び高まっている。米国サンフランシスコに拠点を構えるInstacartもそのひとつだ。

シェアリングエコノミー型フードデリバリー

Instacartが提供するフードデリバリーサービスは、在庫を持たないという点で決定的に新しい。
Amazonが提供するAmazon Freshや、Googleが提供するGoogel Expressは、ともに回転率の高い生鮮食品を対象にし、自社で在庫を保管しながら配送インフラを整え、スピーディーに消費者に届けることを売りとしている。これらのTech企業は高度な需要予測が可能となるため、データさえ取れればあとは最高の効率で玄関前まで届けることができるのだ。したがって膨大なデータを有する強者のみが可能な戦略と言うことができる。

対してInstacartは自社で在庫を持たない。P2P型のフードデリバリーで、アプリから注文するユーザー、スーパーで代理購入しそれを届けるユーザー、この両者をマッチングさせるサービスだ。
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最短1時間で商品が届く

ここで鍵を握るのがスーパーで実際に買い物をする購入者だ。購入者は、基本的には割り当てられたスーパーで待機をし、Instacartで注文が入ると商品をピックアップする。それを配達者にパスすることも可能だし、車があれば自ら届けることも可能。購入者は担当のスーパーが固定されているため、どこに何があるかを記憶しており、リードタイムが大幅に短縮される仕組みだ。

購入者は代理購入をすることで報酬が貰え、さらにInstacartによる時給保証が制約されているので、1時間の報酬が20ドルに達しない場合はInstacartにより不足が補填される。注文が多く入れば歩合制でたくさんの報酬が得られるし、仮に少なくても最低時給は保証されている仕組みだ。
Instacartはすでに米国のスーパー大手のWholeFoodsとタッグを組んで展開しており、WholeFoodsには店内に購入者専用のレジがあったり、ピックアップ用のボックスが置かれているなど見事な連携プレーを発揮している。

時価総額20億ドルを突破したInstacart

この仕組みでInstacartは瞬く間に規模を拡大、2015年には2億2,000万ドルを調達し、その時価総額は20億ドルと言われている。またForbesによれば、アメリカで最も成功が成功が約束された企業として賞賛されている。

参考記事:America’s Most Promising Company: Instacart, The $2 Billion Grocery Delivery App

近年はAirbnbやUberに見られるように、シェアリングエコノミー型の企業が大きな時価総額をつける時代となった。これらのサービスのキーワードは、「欲しい時に欲しい分だけ」といういわゆるオンデマンドだが、Instacartはフードデリバリーの分野で見事なオンデマンドデリバリーサービスを実現した。
数年以内のIPOも十分視界に入ってきたInstacart、引き続き動向をチェックしていきたいと思う。

Instacart:
https://www.instacart.com/

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