2016年、リアル店舗の決済方法はどのように変化していくか?

2016年、リアル店舗の決済方法はどのように変化していくか?

2016年、Eコマース界隈ではオムニチャネルの動きが加速している。オムニチャネルとは実店舗や通販、ECサイトといったあらゆるチャネルをシームレスに買い物できる環境のことを言い、モノはお店でもネットでも買えて、受け取りはお店でも自宅でも可能。消費者はいつでもどこでも気になった時にクリップし、欲しいときに買って、受け取りたいときに受け取れるといったイメージだ。消費者はネットや店舗といった環境の違いを意識することなくショッピングを楽しむことができるため、現在多くの企業がオムニチャネル化を進めている。

そのようなオムニチャネルの理想形に向かうため、店舗での決済をいかにシームレスにしていくかという課題がある。Eコマースではワンクリックで欲しい商品を購入できるのに、店舗ではレジに並んだり財布からクレジットカードを取り出して署名したり、多くの消費者にとって煩わしい手続きが多いはずだ。店側にとってもレジ自体が店全体の雰囲気作りにとって邪魔になるだけでなく、決済してもらうという行為がゴールとなってしまうことで良い接客が出来なくなる可能性も高い。

そこで米テック企業は、リアル店舗のショッピング体験を限りなくシームレスにするため、特に決済方法についてシンプルかつミニマルにしていく動きを取っている。今回はそれらの取り組みを簡単にご紹介する。

 

バーコードスキャンを利用したApple Easy Pay

Appleが各ストアでの決済方法にEasy Payを導入している事は有名だが、このEasy Payを使うと、カードも現金も持たず、さらにレジに並ぶ必要も無くスマートフォンとアプリだけで買い物が出来る。

仕組みは簡単で、まずAppleストアに入ってアプリを起動すると自動的に店舗にチェックインしてくれる。そしてアプリ内のカメラを起動し、店舗内で欲しい商品のバーコードを読み取る。あとはアップルIDのパスワードと登録済みクレジットカードのセキュアコードをタイプし、「購入」ボタンを押せば、その時点で決済が完了という仕組みだ。あとは勝手に店舗を出るだけで、スタッフに声をかける必要もない。

従来必要とされていた、「レジに並び財布からクレジットカードを出し、署名して決済する」というプロセスを一気に簡略化できるこの仕組みは、現在ほとんどのApple Storeで導入されている。こうなるとそもそもレジが不要になるため、Apple Storeのように多くのショップで今後レジがなくなっていく可能性が高い。

 

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Beaconを利用したPapal Beacon

他方PaypalはBluetooth技術を応用したPaypal Beaconという決済手段を提供している。これを使えば財布やクレジットカードを持たずに店舗に入っただけで支払いが可能となるため、Easy Payのようなスキャンのプロセスも必要ない。

顧客はスマートフォンに専用アプリをインストールしておき、店舗側は、Bluetoothの通信機能を内蔵した専用ビーコンを店内に設置しておく。顧客は専用アプリからどのお店で何を購入するか設定しておけば、お店に立ち寄った際に商品の代金が支払われるので、後は商品を受け取るだけで済むというわけだ。PayPal CEOのDavid Marcus氏は「PayPalは口頭による確認を必要とするだけで、それで完了だ。財布も、カードもいらない。何も必要ない。電話に触れる必要すらない」と説明する。

さらにこの技術はカフェなどでも応用ができ、例えば普段行くカフェのコーヒーを外出先から購入しておけば、店に着いたときに即商品を受け取ることも可能だ。ほとんどウォークスルーで商品を受け取れるこの仕組みは、今までの常識を大きく変えていくことになるだろう。

 

Amazonが特許申請中のハンズフリー決済

先日シアトルに「Amazon Books」という実店舗を出店したAmazonは今後書店だけでなく別の商品を扱うショップも計画中だと言われている。米テックメディアのRe/codeによれば、Amazonはこれらのショップで画期的な決済方法を導入予定だという。

その決済方法では、店内のカメラやセンサー、RFIDなどを用いて、購入者と商品を特定する。これらの技術により商品と顧客が紐付けられ、そのまま顧客が店を出て行くと、店のドアを通過したことが認識されて、商品の代金が自動的に決済される仕組みだ。AmazonがECで既に導入している「ワンクリック購入」よりもシームレスな取り組みで、ただ商品をピックアップして店を出るだけで決済が完了してしまう。

参考記事: We May Have Just Uncovered Amazon’s Vision for a New Kind of Retail Store | Re/code

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まとめ:決済のシームレス化はオムニチャネルの理想形

これまで「レジに並んで決済する」というプロセスは、消費者にとっても店側にとっても煩わしいものであった。入店してから商品を眺め、お会計を済ませるという一連のプロセスは本来無意識に行えることが理想だが、この決済のワンプロセスが非常に小さな(とはいえ強力な)心理的ハードルを構成し、「意識的な買い物」とさせてしまっていた。

本当の意味でのオムニチャネルとは、ネットや店舗といった場所空間の違いを無意識化させることだけではなく、このようなショッピング体験そのものをシームレスにしていくことで、顧客に最良の体験を提供していくことではないだろうか。そういった意味で今回紹介したようなテクノロジーがこれまで我々が体験していた小売の常識を徐々に変化させていく可能性は高いと言える。

 

 

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