東南アジア発の配車サービスGrabはUberの脅威となるか?

東南アジア発の配車サービスGrabはUberの脅威となるか?

東南アジアのUberと言われるGrabが破竹の勢いでサービスを拡大している。

GrabはスマートフォンのGPS機能を利用し、現在位置から一番近くにいるタクシーを簡単に配車することができるサービスだ。2011年のハーバード・ビジネススクールのビジネスプランコンテストで準優勝したこのビジネスアイデアは、瞬く間に規模を拡大し、2012年の創業以来、マレーシア、フィリピン、タイ、シンガポール、ベトナム、インドネシアにおいて数万人のタクシー運転手がGrabを利用し配車予約を受け付けている。2012年にはソフトバンクインベストメントが2億5,000万ドルを投資するなど、その将来性が期待されている。

参考記事: ソフトバンク、2億5,000万米ドルを東南アジア最大のタクシー配車アプリを提供するグラブタクシーに出資

 

Uberのビジネスモデルとの違い

同じタクシー配車サービスのように見えるUberとGrabだが、実はビジネスモデルのベースが異なる。UberはAirbnbのようにシェアリングエコノミーをベースとしており、Uberとドライバーの間に直接の雇用関係はない。そのためUberはアプリにレビュー機能を持たせ、ドライバーのサービスクオリティをソーシャルで担保するという方式を採用している。他方Grabは運転手と直接面談を行い身元確認を行った上で採用するため、運転手の質・サービス向上を会社側が担保している形になる。Uberは仲介した際に生じる手数料が主たる売上になるが、Grabは純粋に配車した際に得られる運賃が売上となる仕組みだ。
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東南アジアのタクシー業界が抱える問題を解決

東南アジアのタクシーが抱える問題点として、メーターがなく料金が不透明という点が挙げられる。もちろんメーターを搭載しているタクシーも存在するが、メーターのないタクシーに乗ってしまうとドンブリ勘定で料金を請求されてしまうためトラブルが絶えない。そこでGrabでは、そもそもメーターを搭載していないタクシーは契約ができない仕組みとなっている。料金に透明性を持たせることで、ユーザーは乗車前に複数のタクシーに値段交渉をしてから乗車するというような煩わしさから解放されるというわけだ。

さらにインドネシアのジャカルタなど世界有数の渋滞地域では、そもそもタクシーが身動き取れない状況も存在する。そこで考え出されたのがバイクの配車サービスだ。2-3分で近くのバイクを配車することができ、渋滞の間をスルスル抜けて移動できるため現地のユーザーから絶大な支持を受けている。Grabはこのバイク便の優位性を生かし、最近では一部の地域でフードデリバリーサービスも展開しているようだ。

参考記事: Sounds delicious: Grab launches food delivery service in Jakarta

 

Grabは東南アジアのUberとなれるか?

Grabは時価総額で7兆円を超えるUberと真っ向から対抗する形となる。Uberは2010年の創業後、わずかの数年でこの時価総額にまでバリュエーションを高めたモンスター企業で、この数字は日本企業だとJR東日本、三菱商事、セブン&アイの時価総額よりも大きい。Grabは先日、不動産大手のLippo Groupと戦略的パートナーシップを締結したと発表したが、それでもやはり資金力という面ではUberに分があると言わざるを得ない。

しかしGrabもわずか2年という短期間で、東南アジアのモバイルタクシー配車サービス業界において最も有力な事業者となった。現地生まれのサービスはタクシー業界における課題を解決しながら、安全で信頼できる乗車体験をユーザーに提供し、さらにはタクシー運転手の生活をより良くすることを目的に運営されている。Uberにとって東南アジアでの市場シェア拡大にGrabは無視できない存在となっていることは間違いなさそうだ。

Grab Taxi:
http://www.grab.com/sg/

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