Amazonがセラーに対して徹底的に取り締まる4つの問題

Amazonがセラーに対して徹底的に取り締まる4つの問題

Amazonは先日、二度目のPrime Dayの開催を宣言した。7/12に開催される同セールは前回より大幅にラインナップを拡大し、100,000点を超える商品が用意されている。消費者だけではなく、多くのセラーもまたPrime Dayを楽しみにしている。ホリデーシーズンと並ぶPrime Dayは、彼らにとっても絶好の販売機会となるからだ。

Amazonは多くの小売業者に販売機会を提供する一方で、マーケットプレイスの健全さを脅かす悪質なセラーに対しては厳しい措置を講じている。以下は近年Amazonが徹底して撲滅活動を行っている4つの諸問題だ。

1. フェイクレビュー

フェイクレビューは日本では「さくらレビュー」などと呼ばれるが、Amazon上でIPアドレス等の個人の特定情報巧みに偽装し、購入したカスタマーを装いその商品に対して好意的なReviewを残す手法だ。また場合によっては競合商品に対して意図的に悪意のあるレビューを残すパターンも確認されている。これらのレビューによりAmazon上での検索結果を恣意的に操作するだけでなく、人気のある商品であるかのように誤解させ購入に結びつける

Amazonはこれらの行為を現在厳しく取り締まっている。2015年4月、セラーから対価を得て商品に対する架空のレビュー投稿を請け負っていた業者を告訴し、さらに2015年10月には、クラウドソーシングサービスfiverr.comを使用して偽の商品レビューを提供していた個人1,114人を訴えている。また、2016年6月、Amazonは偽のアカウントを使い架空の商品レビューを投稿し続けたショップ3社を訴えた。

併せてチェック:Amazonが偽のレビューを投稿したセラー3社を訴え

Amazonは不正なレビュー投稿を禁止する新たなアルゴリズムを開発中だとし、Amazonの信頼性を担保するため様々な対策を続けている。費用対効果を一切無視し、米国法人だけでなく個人や海外企業をも訴えの対象にしていくことで、牽制効果も狙っている。これらの複合的なファイアウォールを設けることで、着々と成果を収めているとAmazonの広報担当者は語っている。

2. 偽ブランド品

偽ブランド品はAmazonだけの問題ではないようだ。アリババも近年、市場に氾濫する偽ブランド品への取り締まりに躍起になっている。このような偽物品が出回った途端、消費者は安心して購入することができずやがてマーケットから遠ざかってしまうからだ。

併せてチェック:アリババのジャック・マー「偽造品の問題はそれが純正の高級品よりも「高品質」であることだ」

fake
Amazonはこれらの偽ブランド品に対して徹底抗戦している。実際に偽物かどうかの立証責任をセラーに転嫁し、セラーは正規品であることを自ら証明しなければならない。具体的には、カスタマーとのメールのやり取りやレビューに”fake”や”counterfeit”のような文言が含まれるやり取りがあった場合には自動的にamazonに検知され、商品掲載が一時中断される。セラーはもしこの判断に不服の場合、Amazonに対してinvoiceや製品保証書のようなエビデンスを提出しなければならない。それがない場合には偽物と推定し、場合によっては資金留保やアカウント凍結などの措置を講じることもある。疑わしきは罰するのがAmazon流だ。

これに対しては厳しすぎるとの一部批判もあるが、本物であることを証明できないような商品を販売することはそもそも認めていないというAmazon側の意図が確認できる。市場の信頼性を担保するため、Amazonは今後さらに厳しいプロセスを敷く可能性も高いのではないだろうか。

3. 同一人物による複数アカウント

Amazonは顧客第一主義を徹底する一方で、セラーに対しては厳しすぎる措置を講じることがある。セラーは常に最高のパフォーマンスで顧客の要求に応えなければならず、それが出来ない場合にはすぐにアカウントを凍結される。またパフォーマンスだけでなく規約への違反にも厳しく処罰され、例えば前述の偽造品などは本物だと立証できなければ凍結もやむなしだ。売り上げの大半をAmazonで生み出している小売業者も多い中、彼らは明日アカウントが凍結されるかもしれないという恐怖に脅えながら販売しているのもまた事実だ。

これを受け、最近は複数のアカウントを運営する動きが加速している。本来規約上は認められていないものの、将来のリスクをヘッジする目的で複数のアカウントを予め運営しておくことで、万が一凍結になったとしても急場を凌ぐことができる

ただしこれを認めてしまうと粗悪なセラーがいつまでもマーケットプレイスで販売し続ける可能性が高く、あるいは刹那的に詐欺的行為を繰り返し売上金を搾取するセラーが増えてしまう。そのためAmazonはこれらの行為についても厳しく取り締まっており、過去にAmazonによって凍結されたアカウントと紐付いた場合には、問答無用で新たなカウントも凍結している

4. ハイジャックリスティング

ハイジャックリスティングとは、いわゆる相乗り出品と言われ、本来販売権がないにもかかわらず、その商品を販売する行為だ。これは場合によっては知的財産権の侵害となりうるが、Amazonでは出品前にこのような販売権をチェックするような審査は行わない。というよりそもそもこのような問題に関与したがらないというのが事実だ。前述のような偽物品であれば消費者の取引の安全性を脅かす問題であるが、販売者が正規のライセンスを持った販売者かどうかは消費者にそこまで関係がなく、Amazonにとっても判別し難い。そのため、ブランドオーナーからの申し立てがあった場合に限り、それを販売者側に伝え、双方の解決を図る手助けをするという流れになっている。

しかし一方で、これはブランドオーナーや正規の販売代理店にしてみれば深刻な問題だ。簡単に相乗りされてしまうことで本来取れるはずの利益が奪われるばかりか、不要な競争が起こることで製品自体の値崩れが起きやすい。またそれだけではなく製品のアフターサービスなどについても第三者から購入されてしまうと提供できない場合もある。これは消費者にとってもブランドオーナー側にとっても不利益となるだろう。

Amazonはこれについても新たな姿勢を見せ、以前よりも厳しい取り締まりを行っており、申し立てに対して商品掲載の削除のほか、悪質な場合にはアカウント凍結などの措置も講じている。

まとめ

以上が近年Amazonが厳しく取り締まっている行為だ。健全に運営している人からすればどれも関係のない話かもしれないが、やはり一部Amazonの規約を逸脱したセラーも存在している。

Amazonでは商品充実のため多くのセラーに門戸を広げる一方で、このようにポリシーにそぐわないセラーは容赦なく追放する。あなたがもしAmazonでショップを運営しているのであれば、毎日Amazonからのメールに脅えているかもしれない。消費者からの信頼性を担保するためには仕方ないとはいえ、情状酌量の余地のないAmazonの厳しすぎる判断には、一部セラーから批判の声が多いのも事実だ。

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