Amazonの倉庫ロボットKivaがもたらすイノベーション

Amazonの倉庫ロボットKivaがもたらすイノベーション

Amazonは2012年3月に倉庫ロボットを開発するベンチャー企業「Kiva」を買収した。当時ロボットによる倉庫内作業はまだまだ現実的でないと言われていたが、Amazonは2014年の後半、ついにKivaのオレンジロボットを自社倉庫に導入。現在それが大きなイノベーションを生み出している。

Amazonが買収したKivaとは

米国マサチューセッツに本社を構えるKiva Systems, Inc.(現在はAmazon Robotics)は、倉庫内での自律型作業ロボットを開発するベンチャー企業だ。一見するとお掃除ロボットのルンバに形が似ているが、棚の下に潜り込み棚を丸ごとプッシュアップ、自由自在に棚を移動させる。ロボットにはカメラとリアルタイムの画像処理システムが組み込まれ、全てのロボットはネットワークを介してトラフィック整備されており、床に埋め込まれているバーコードを読み取りながら移動をしていく。そのためロボット同士がぶつかったり渋滞を起こすといったことがないよう工夫されている。

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圧倒的に改善されたハンドリングコスト

このKivaロボットの導入により、商品のピッキングプロセスが大幅に改善された。わざわざ棚に商品を取りに行く必要はなく、梱包する必要のある商品を棚ごとKivaロボットが持ってきてくれ、パッキングが終わればそれを棚に戻し、あとはKivaが出荷場所まで棚を移動してくれる。従来であれば受注した商品たちを従業員がマニュアルでピックアップし、それを梱包、出荷していた。Amazonによれば、これまで約60分から75分かかっていた作業が、Kivaロボットの導入によりたった15分で完了するという。従業員一人あたりの生産性に劇的な変化が起きているのだ。

従業員の生産性をアップさせるだけでなく、Kivaロボットは間接費の削減にも貢献している。例えばKivaロボットは床のバーコードを目印に移動していくため、たとえ倉庫内が真っ暗であっても問題なく移動することができる。特に24時間稼働し続けるAmazon倉庫では、不要な電力をカットすることが年間を通じて大幅なコスト削減につながる。さらに省スペースで移動することができるため、従来であれば人が通れるだけの通路スペースを確保する必要があったがそれも不要となり、目に見えにくいコスト削減にも成功している。

Amazonによれば、2015年の第3四半期において、すでに30,000のKivaロボットを13の倉庫で導入。1倉庫あたり2,200万ドルの経費削減に成功しているという。もしAmazonが残りの110の倉庫すべてにKivaを導入した場合、およそ25億ドルの経費削減効果が見込まれている。

残す課題は商品ピックと梱包のプロセスか

Kivaの導入により、倉庫内での商品のハンドリングが劇的に効率化された。しかし棚の移動は出来ても、商品自体を棚からピックし、それを梱包するというプロセスは未だ人間が行っている。実はこのプロセス、人間からしてみれば何でもないような作業だが、ロボットにしてみれば思いの外難しい。

商品には様々な形があり、例えばボトルのような形の商品もあれば、下敷きのように薄くて掴みにくい形の商品もある。さらにぬいぐるみのように柔らかな素材の商品もあれば、少しの力を加えただけで割れてしまうようなグラスもある。人間は無意識のうちにこれらの形や素材を見極め、ピックアップ・梱包ができるが、ロボットにその柔軟性を求めるには途方もないアルゴリズムが必要になる。

Amazonは現在、この「商品を掴む」というプロセスをどのようにロボットに達成させるか、日夜研究を行っている。Amazonが開催しているPicking Challengeでは、あらゆる商品をターゲットに、それを棚から取り出し、タブに入れるという単純作業を繰り返しているのだ。

人間の仕事がロボットに置き換わる日も近い

Amazonが現在でも倉庫内に人を配置している理由は、それが現時点ではコスト安だからという理由でしかない。Kivaロボットや前述のピッキングロボットが整備されていくことで、将来的には今と同じ作業を必要最小限のオペレーターのみで処理できる日も近い。一部ではロボットが職を奪うという批判も存在するが、単純作業がロボットに置き換わることで企業のコスト削減が進み、それが最終的にサービスや価格に還元されていくのだから、マイナス面だけではないはずだ。

すでに日常に存在する自動販売機もある種の自動化ロボットであるし、自動改札機も自動化ロボットだ。従来人間が作業していた仕事をロボットが代替するという時代の流れば今に始まった事ではなく、今後も少しずつロボットにシフトしていくことは間違いなさそうだ。

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