アリババのジャック・マー「偽造品の問題はそれが純正の高級品よりも「高品質」であることだ」

アリババのジャック・マー「偽造品の問題はそれが純正の高級品よりも「高品質」であることだ」

2014年の株式公開後初めてとなるアリババの投資説明会で、中国の電子商取引最大手AlibabaのCEOジャック・マーは、同社の偽造品問題に触れた。Bloombergが報じるところによると、彼は「真の問題は現在では偽造品が純正品と同等またはそれより良質であることだ」と主張することで、それらの商品の販売の場を提供しているアリババから責任を逸らした。

偽ブランド品が横行する中国市場

アリババはCtoCプラットフォームである淘宝網(Taobao)を運営しているが、偽造品で悪名高い。
質の高い消費者を呼び込むため出店に際して高いハードルを設けたBtoCプラットフォーム天猫(Tmall)ですら、最近では偽物が多く出回っているという。ある調査によると、中国人の60%は高級ブランド品を公式サイトでしか購入しないとし、淘宝網や天猫で購入するのは「偽物でもいいから安いものが欲しい」と考えている場合だという。

中国は、プラダ、バーバリー、アルマーニなどに代表されるような、洗練されたハイエンドブランドの製造拠点として長らく発展してきた。しかし商品の製造に必要な情報が一度外部に漏れれば、瞬く間に第三者がコピー品を作り上げてしまう。本物のブランド品と同じ素材を使い、保証書までそっくり用意してインターネットで売りに出してしまうのだ。

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CNBCの北京駐在プロデューサーであるヘイズ・ファンは、淘宝網で出店者からディオールのサングラスを購入した際、出店者は製品の近接画像を提示し保証書すら示していたという。サングラスが届いた時点で、製品が疑わしいと分かったが保証書も同じことだった。そのスペルが間違いだらけだったのだ。ファンはアリババに連絡をとり、アリババは製品が偽造品であると確認し、彼女に返金し、出店者を調査すると断言した。「しかしながら、ほぼ2か月経った時点で、同じ出店者が依然として淘宝網で商売をしている」と彼女は書いている。

偽ブランド品に対するアリババの対応

アリババは以前より、「アリババはブランドの知的財産権を保護するための十分な行動をとっていない」という抗議を受けてきた。2016年4月に、アディダスやバーバリーなど250社が加盟する国際模倣対策連合(IACC)への参加を認められたが、他の加盟者はアリババに冷ややかだ。同団体の複数のメンバーは、アリババが現状より厳しい模倣品対策を取らない場合には然るべき措置を講じることを検討しているという。

アリババはIACC加盟後、淘宝網と天猫で販売している業者に、正規品であることを証明するインヴォイスの提供を求め、それが出来ない場合にはアカウントの凍結や資金留保を行うと発表。偽ブランド品に対する一定の姿勢を見せており、これまでに違反した偽ブランド商品18万点以上を削除したとしている。

偽ブランド品は新たなビジネスモデルか?

昨年開設されたBiyao.comでは、顧客はバーバリー、プラダ、カルティエ、ナイキ、アンダーアーマーなどの多数の著名な国際的ブランドを製造する工場に直接注文することができる。創設者ビー・シエンによれば、工場は独自のデザインを使用しており、そのセールスポイントは各ブランド品と同程度の品質の製品が大幅に安いことであるとしている。つまり明らかに正規品ではなくブランドロゴなど一切ないが、素材や品質という点で極めて近い商品が安価に手に入るのだ。

ジャック・マーは「真の問題は、偽ブランド品が純正品よりも高品質で、かつ安いことだ」と、中国の杭州でのイベントで語った。マーは、海外ブランド向けに製造している「本物の工場」が「本物の原材料」を用いて、高級品を同じ規格で複製し、ただブランド名を消し去るだけだと語った。「これはブランドを破壊する偽造品ではなく、新たなビジネスモデルです」と述べた。

しかしながら、中国の洗練された消費者の信頼を維持し、2020年までに1兆ドルの売上という目標を達成していくためには、模造品に対して然るべき対応をしていかなければならない。マーもスピーチの中で、アリババを「偽造品と闘う世界トップクラスのファイター」と述べ、サイトでの偽造品1点の販売は顧客5人の消失につながる可能性があるため、自らが取り締まることは会社の利益であると語っている。

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