海外Eコマースで成功するために押さえるべき5つのポイント(モール編)

海外Eコマースで成功するために押さえるべき5つのポイント(モール編)

ECモールには二つの特徴がある。一つ目は扱っている商品がすべて型番商品であり、消費者がどこで購入しても製品自体に区別はないこと。二つ目は、消費者側からすればモールで買い物をしている感覚であり、その中の個別ショップの見分けがつきにくいこと。

これら二つの特徴から、消費者の多くは「他より安く買えること」を最重要視しており、出品者からすれば必然的に価格競争に陥ることになる。本来ならショップそれぞれがオリジナリティを出して然るべきなのにそれができず、消費者自身もそれを求めていないのだ。

では、ECモールではあえて割り切った価格競争をするのが正解なのだろうか?答えは完全にYESではなく、「差別化を図れる部分は図りながら、価格で勝負する」が正解となる。モールを利用した販売において、EC事業者がどのような部分で差別化を図ることができるのか、基本的なポイントをまとめてみる。

1.割り切った価格競争をするなら送料はキッチリ押さえる


ECモールではほとんど強制的に価格競争を強いられる。ここで独自性を出そうと思っても難しいため、あえて割り切った価格競争に走る販売者も多い。その場合、特に重要となるのが送料で、これは販売者間で最も差別化を図りやすいポイントとなる。特に海外への輸送費は国内に比べ高額になりやすく、少しの単価の開きが結果として大きなインパクトに繋がるのだ。

なぜ仕入よりも送料に重点を置くかと言うと、まさに「製品が型番商品だから」だ。一部の中古市場を除き、販売用者の間で仕入価格には大きな開きはなく、よほど古くから付き合いのあるメーカーや卸業者などがいて計らいをしてもらえるのであれば別だが、なかなかそうもいかない。そうすると必然的に、仕入れよりも送料の方が差別化を図りやすいのだ。

送料部分については販売者同士でキロ当たりの送料単価が異なり、物流のスキームや梱包プロセスも販売者同士で異なるため差別化が図りやすい。価格競争を追求するのであれば送料負担をいかに減らすかを検討することが一番手っ取り早いことになる。

では仕入価格も同じ、送料も差別化を図れない、このような場合、どのように差別化を図っていくのが良いだろうか?

2.物流は差別化を図る一番のポイント

海外ECでは通関のノウハウが非常に重要になる。当たり前だが、輸出先国に対して商品を届けられなければ売上が立たず、商品によってはこの 「通関を通す」というプロセスが至難の技になってくる。たとえば米国であれば有害物質規制法により人の健康や環境を損なう恐れのある品目については TSCAフォームが求められるし、電波を発する無線機器であればFCCフォームやRADECフォームが求められる。

国や輸送する貨物により規制が異なるが、これらのノウハウをきちんと有しているかどうかで競争優位性が大きく変わってくる。仮に他社が通関を通せないような商品を自社だけで通せるのであれば、その商品に関して日系の競合はほとんどいなくなるはずだ。ライバルを勝負から降ろすには物流に関して参入障壁のあるプロダクトが効果的だ。

3.セミニッチを扱う

そもそも価格競争になってしまう一番の原因は、その商品に多くの参入者がいるからだ。他方でニッチ商品になればなるほどライバルは少なくなり、場合によっては独占販売も増えてくる。ここで注意しておきたいのは、スーパーニッチ商品を扱ってしまうと苦戦してしまうということだ。

たとえば日本の瀬戸物は欧米向けに売れるだろうか?もちろん少なからずファンもいるかもしれないが、欧米ではこのようなデザインは一般的な嗜好から外れ、どちらかというと北欧のデザインの方が人気だ。さらに「◯◯焼き」といったブランドを前面に押し出しても、よほど日本文化に精通している消費者でない限りは何のことか分からない。こういったスーパーニッチ商品ばかりを揃えてしまうとかなり厳しい戦いになる。
babbleheads
たとえば米国ではBabbleheadsと呼ばれる首ふり人形が大人から子供まで人気だ。米国大統領や人気歌手、スポーツ選手などが人形になっている。例えばこれと日本の侍、舞妓さんをコラボさせた商品はどうだろうか?すでに現地で一定の人気がある商品に、日本のエッセンスを追加する。こういったセミニッチ商品は参入者がほとんどおらず、日用品ほどメジャーでもないので狙い目だ。

4.進出先国をあえず外すことも重要

進出先国としてたとえば米国のように市場規模が大きくEコマースが十分浸透している国はもちろん魅力的だが、そこに参入する企業も多いのではパイの取り合いはどんどん激化してしまう。資本力があれば別だが、そうでない中小企業には真っ向勝負は厳しいものとなる。

たとえ市場需要が10分の1であっても、競合も10分の1であれば十分リターンは見込める。結局のところ、市場需要のうち、自社が獲得できる注文は何%か?が問われているのだ。
marketshare

例えばシンガポールにLazadaという現地モールがあるが、日本ではほとんど認知されていないし、参入企業も限定的だ。販売にあたり現地法人や現地口座が必要となるのだが、こういった参入障壁は一度突破してしまえば自社だけが持つ優位性になりうる。

すでにルートが確立され競合が多い市場よりも、こういった新たな市場を開拓していくことで不毛な価格競争から離脱できることも頭に入れておきたい。

5.状態管理の難しい商品

たとえば中古品で高価格帯の商品などは状態管理が非常に難しく、出品に手間もかかる。商品によりコンディションが異なるし、出品にあたり間違ったコンディションを記載してしまえばクレームにつながるからだ。さらに高額商品となればカスタマーも普段より厳しい目でチェックするだろう。

こういった商品は手間がかかり販売後も返品につながりやすいため販売者から敬遠される傾向にあるが、もし自社の商品管理能力やカスタマーサポートに自信があるのであれば狙い目ではないだろうか。

中古品であれば仕入価格も千差万別だし、自社と全く同じコンディション商品を持った販売者も少ない。利益率も新品の既製品よりは遥かに良いはずだ。中古のギターや時計、カメラなどがこれに該当する。

まとめ

今回はECモールで差別化を図るポイントをまとめてみたが、ここで問題提起したような価格競争は誰しも経験したことがあるのではないだろうか。ここのところ、ECモールの競争激化が激しく、数年前に比べて販売者ごとの販売量や利益率が大きく低下している。Eコマースがそれだけ普及してきたということで喜ぶべき事実ではある反面、販売者からすれば困った状況だ。何とかしようと思いつつ、手を打てず困っている販売者の方も多いのではないだろうか。

悲観的にならず、少しのピボットで改善できる可能性もあるので、不毛な価格競争をしなくていい場合には積極的に検討していきたい。引き続き今後のECモールの動向については注目していきたいと思う。

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